事例研究

エス・エム・エス新株予約権(有償ストックオプション)の発行

株式会社エス・エム・エスが下記要領にて有償新株予約権を発行しました。

発行日 発行価額 前日終値 行使価額 発行価額/時価
2016/7/20 6円/株 2,380円/株 2,380円/株 0.25%
新株予約権の数 希薄化効果 株価変動性 配当利回り 無リスク利子率 行使期間
2,060個
(1個当たり100株)
0.49% 記載なし 記載なし 記載なし H31/7/1 ~ H36/6/30

*希薄化効果 = 増加普通株式数 ÷ 発行済株式総数

プレスリリースへのリンク
 
また、この有償ストックオプションには下記のノックアウト条項が付されています。
(ノックアウト条項:一定の条件を達成しなければ、ストックオプションの行使が出来なくなる条項)
 

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①新株予約権者は、平成 31 年 3 月期における EBITDA の額が、下記(a)乃至(c)に掲げる 各水準を超過した場合に限り、各新株予約権者に割り当てられた新株予約権のうち、それ ぞれ定められた割合(以下、「行使可能割合」という。)の個数を権利行使することができ る。

(a)EBITDA の額が 4,977 百万円を超過していること 行使可能割合 10%
(b)EBITDA の額が 6,462 百万円を超過していること 行使可能割合 50%
(c)EBITDA の額が 8,216 百万円を超過していること 行使可能割合 100%

なお、上記における EBITDA の判定においては、当該事業年度の有価証券報告書に記載さ れた連結損益計算書における営業利益に、連結キャッシュ・フロー計算書に記載された 減価償却費、のれん償却額を加算した額を参照するものとし、国際財務報告基準の適用 等により参照すべき指標の概念に重要な変更があった場合には、別途参照すべき指標を 取締役会にて定めるものとする。また、行使可能な新株予約権の数に1個未満の端数が 生じる場合は、これを切り捨てた数とする。

②新株予約権者は、本新株予約権の権利行使時においては、当社または当社関係会社の取締 役または当社従業員であることを要しないものとする。ただし、新株予約権者が解任また は懲戒解雇された場合など、新株予約権者が本新株予約権を保有することが適切でない と当社取締役会が判断したときには、本新株予約権を行使できないものとする。

③新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

④本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を 超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑤各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
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つまり、この有償ストックオプションは割当者にとって、下記の意味があることとなります。

・ストックオプションの割当時に6円/株の払込が必要

・払込を行うと、株式会社エス・エム・エスの株式を2,380円/株で取得可能になる
(2,380円/株は割当日前日の終値)

・よって、将来株価が上がった時(例えば4000円/株になった時)に行使・譲渡すれば、1,620円/株(4,000円/株 - 2,380円/株)の譲渡益が得られる
譲渡益には20.315%の所得税しか課税されない

・ただし、ノックアウト条項に抵触した場合、ストックオプションを行使できるとは限らない。

有償ストックオプションには上記のようにノックアウト条項が付されることが通常であり、将来における行使の確実性が担保されないため低い価額(6円/株)で発行可能となります。

(有償ストックオプションの発行自体はあくまでストックオプションの公正価値発行のため、取締役会決議による発行が可能)

なお、株式会社エス・エム・エスの直近期(2016年3月期)のEBITDAの額は3,740百万円程度です。

今回発行の新株予約権を行使するためには、少なくともEBITDAの額が4,977百万円を超える必要があるため、ノックアウト条項としては厳しく、また、それゆえに6円/株という極めて低い価格での発行が可能となります。

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