事例研究

ドンキホーテ 新株予約権(有償ストックオプション)の発行

株式会社ドンキホーテホールディングスが下記要領にて有償新株予約権を発行しました。

発行日 発行価額 前日終値 行使価額 発行価額/時価
2016/6/30 20円/株 3,700円/株 3,700円/株 0.54%
新株予約権の数 希薄化効果 株価変動性 配当利回り 無リスク利子率 行使期間
13,697個
(1個当たり100株)
0.87% 33.20% 0.54% -0.233% 満期まで10年
(H30/10/1 ~ H38/9/30)

*希薄化効果 = 増加普通株式数 ÷ 発行済株式総数

プレスリリースへのリンク
 
また、この有償ストックオプションには下記のノックアウト条項が付されています。
(ノックアウト条項:一定の条件を達成しなければ、ストックオプションの行使が出来なくなる条項)
 

-------------------------------------------------------
① 新株予約権者は、当社が金融商品取引法に基づき提出する有価証券報告書に記載された連結損益計算書において、売上高及び営業利益の額が次の各号に掲げる条件を全て満たしている場合に限り、本新株予約権を行使することができるものとする。

(a) 平成29年6月期の売上高が8,200億円を超過しており、かつ、営業利益が450億円を超過していること

(b) 平成30年6月期の売上高が8,800億円を超過しており、かつ、営業利益が480億円を超過していること

ただし、上記期間(平成 28 年7月から平成 30 年6月まで)において、連結売上高及び営業利益に多大な影響を及ぼす大規模な企業買収等の事象が発生し、当該期の有価証券報告書に記載された実績数値で判定を行うことが適切ではないと当社取締役会が判断した場合、当社は合理的な範囲内で当該企業買収等の影響を排除し、判定に使用する実績数値の調整を行うことができるものとする。

② 新株予約権者は、新株予約権の権利行使時においても、当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

③ 新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

④ 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑤ 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

-------------------------------------------------------
 
 
つまり、この有償ストックオプションは割当者にとって、下記の意味があることとなります。

・ストックオプションの割当時に20円/株の払込が必要

・払込を行うと、株式会社ドンキホーテホールディングスの株式を3,700円/株で取得可能になる(3,700円/株は割当日前日の終値)

・よって、将来株価が上がった時(例えば5,000円/株になった時)に行使・譲渡すれば、1,300円/株(5,000円/株 - 3,700円/株)の譲渡益が得られる
譲渡益には20.315%の所得税しか課税されない

・ただし、ノックアウト条項に抵触した場合、ストックオプションを行使できるとは限らない。

有償ストックオプションには上記のようにノックアウト条項が付されることが通常であり、将来における行使の確実性が担保されないため、低い価額(20円/株)で発行可能となります。

(有償ストックオプションの発行自体はあくまでストックオプションの公正価値発行のため、取締役会決議による発行が可能)

なお、株式会社ドンキホーテホールディングスの直近期(2015年6月期)の営業利益は連結ベースで391億円程度です(連結売上高は6,839億円)。

今回発行の新株予約権を行使するためには、少なくとも営業利益が450億円を超える必要があるため、ノックアウト条項としてはそれなりに厳しく、また、それゆえに20円/株という極めて低い価格での発行が可能となります。

メールでのお問い合わせ

(ストックオプションの価値評価については、こちらからお問い合わせください)