事例研究

モバイルファクトリー 新株予約権(有償ストックオプション)の発行

株式会社モバイルファクトリーが下記要領にて有償新株予約権を発行しました。

発行日 発行価額 前日終値 行使価額 発行価額/時価
2016/6/24 1円/株 2,325円/株 2,325円/株 0.04%
新株予約権の数 希薄化効果 株価変動性 配当利回り 無リスク利子率 行使期間
483個
(1個当たり100株)
2.0% 82.23% 0.86% -0.251% 満期まで5.5年
(H29/4/1 ~ H33/12/31)

*希薄化効果 = 増加普通株式数 ÷ 発行済株式総数

プレスリリースへのリンク
 
また、この有償ストックオプションには下記のノックアウト条項が付されています。
(ノックアウト条項:一定の条件を達成しなければ、ストックオプションの行使が出来なくなる条項)
 

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① 新株予約権者は、営業利益が下記(a)または(b)に掲げる水準を満たしている場合に限り、各新株予約権者に割り当てられた本新株予約権のうち、当該各号に掲げる割合(以下、「行使可能割合」という。)の個数を限度として当該条件を最初に満たした期の有価証券報告書の提出日の翌月1日から行使することができる。

(a) 平成 28 年 12 月期乃至平成 31 年 12 月期の4事業年度のうち、いずれか単年度の事業年度において当社の営業利益が8億円を超過した場合

行使可能割合: 50%

(b) 平成 28 年 12 月期乃至平成 32 年 12 月期の5事業年度のうち、いずれか単年度の事業年度において当社の営業利益が 12 億円を超過した場合

行使可能割合:100%

なお、上記における営業利益の判定においては、当社の有価証券報告書に記載される損益計算書(連結損益計算書を作成している場合、連結損益計算書)における営業利益を参照するものとし、国際財務報告基準の適用等により参照すべき項目の概念に重要な変更があった場合には、別途参照すべき指標を取締役会で定めるものとする。

また、行使可能割合の計算において、各新株予約権者の行使可能な本新株予約権の数に1個未満の端数が生じる場合は、これを切り捨てた数とする。

② 新株予約権者は、新株予約権の権利行使時においても、当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

③ 新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

④ 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑤ 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。"

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つまり、この有償ストックオプションは割当者にとって、下記の意味があることとなります。

・ストックオプションの割当時に1円/株の払込が必要

・払込を行うと、株式会社モバイルファクトリーの株式を2,325円/株で取得可能になる(2,325円/株は割当日前日の終値)

・よって、将来株価が上がった時(例えば3,000円/株になった時)に行使・譲渡すれば、675円/株(3,000円/株 - 2,325円/株)の譲渡益が得られる
譲渡益には20.315%の所得税しか課税されない

・ただし、ノックアウト条項に抵触した場合、ストックオプションを行使できるとは限らない。

有償ストックオプションには上記のようにノックアウト条項が付されることが通常であり、将来における行使の確実性が担保されないため、低い価額(1円/株)で発行可能となります。

(有償ストックオプションの発行自体はあくまでストックオプションの公正価値発行のため、取締役会決議による発行が可能)

なお、モバイルファクトリーの直近期(2015年12月期)の営業利益は連結ベースで3.1億円程度です。

今回発行の新株予約権を行使するためには、少なくとも営業利益が8億円を超える必要があるため、ノックアウト条項としてはそれなりに厳しく、また、それゆえに1円/株という極めて低い価格での発行が可能となります。

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