パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)

パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)

パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)のイメージ

買収側においては、対象会社の買収後1年以内に、PPA(Purchase Price Allocation)の処理が求められます。

パーチェスプライスアロケーション(以下、PPA)とは、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準日時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する手続きです。 PPAは、オフバランスとなってB/S計上されていない無形資産も併せて時価評価する必要があることから、PPA手続の一環として、買収対象企業に存在すると考えられる無形資産(商標権、顧客関連資産等)を識別・測定し、買収対価を当該無形資産に配分するという手続きが必要となります。

Stand by C では、PPAの処理の際に不可欠となる対象会社に存在する無形資産の価値算定を主とする、PPAの処理に関するサポートを致します。
(会計・監査目的サポート)

パーチェス・プライス・アロケーション(PPA)のポイント

  • 日本基準においても、2010年4月1日以降より必要となった
  • 買収完了後、1年以内の処理が求められる
  • 日本では、無形資産の評価手法は確立されておらず、米国基準等における無形資産評価の実務経験が豊富な外部の専門家へ依頼する必要がある

PPAにかかる無形資産価値評価のイメージ

  • ブランド/商標権
  • 特許権
  • 特殊な技術/ノウハウ
  • 顧客リスト 等々

⇒買手企業が区分して計上する必要がある

買収価額の配分(のれん部分)
PPA(Purchase Price Allocation)

※広義ののれん(差額)は、無形資産とのれんへと配分される
⇒無形資産が広義ののれんを上回る場合は負ののれん

PPAの処理の概念図

PPA手続における関係図

① 買手企業からの依頼に基づき、弊社において無形資産の認識・測定を行い、PPAにかかる無形資産価値評価分析報告書を作成・提出します。

② 弊社報告書について、監査法人がレビュー(妥当性の検討)を行います。レビューの際は、通常、専門家(同一ファーム内の専門部署)を利用します。

③ 監査法人及び専門家と弊社の間で、評価の前提条件や専門的判断等に関する質疑応答・ディスカッションを行い、報告書の内容を確定します。

④ 買手企業において、確定した報告書の内容について、財務報告へ反映します。

PPAの処理の概念図

PPAプロジェクトの進め方

  • PPAプロジェクトの進め方は、一般的には下記のようなプロセスを踏みます。
PPAの処理の概念図
1.初期的分析
 買収時の検討に用いた法務・財務・税務DD報告書、株式価値算定書、社内検討資料、その他必要情報等を入手し、買収目的等を分析します。
2.質問やディスカッションによる無形資産の識別・認識
 買手企業または買収対象企業に対する質問やディスカッション等を通じて、識別・認識すべき無形資産を特定します。
3. 無形資産の測定
 2で特定した無形資産の価値を測定します。価値の算定手法は、案件の特性等に応じて最も適切と思われる評価アプローチ方法を選択あるいは併用します。
4. レポートの作成・報告
 無形資産の識別・測定が終了した段階で、買手企業にレポート(ドラフト)を作成・提出し、必要に応じてディスカッションを行い、内容を確認・理解頂きます。
5. 会計監査人による監査
 会計監査人がレポート(ドラフト)のレビューを行い、評価の信頼性・妥当性等を検討します。監査が終了した時点でレポートが確定し、PPA業務は終了となります。

専門家に依頼する必要性

  • 弊社のような専門家に第三者評価業務を依頼することが必要な理由は、主に以下の3点と考えられます。
1.PPAの計算は専門的かつ複雑であり、専門的な知識と経験を要するため
 PPAは、買収目的等を分析し、一般的な市場参加者の観点に立って無形資産を認識・測定するプロセスです。PPAの大きな特徴としては、考え方や理論構成に絶対的な正解がないケースが多いことが挙げられます。そのため、無形資産の認識の要否の判断や測定にあたっては、専門的知識のみならず、過去の経験が大変重要となります。PPAの重要な論点である無形資産の経済的耐用年数の想定等について、過去の経験を基に、対外的にも説明可能な適切なロジックを構築していくことが実務上のポイントになります。
2.監査の厳格化に対する対応
 我が国における監査を取り巻く環境が厳しくなる中で、PPAに対する監査手続についても対応が厳しくなりつつあります。以前は、被買収企業の時価純資産と取得原価との差額をのれんとして一括計上する(無形資産を認識しない)ことが容認されていたケースも散見されましたが、最近は厳格に無形資産の手続を行うよう監査人から求められるケースが増えています。
3.業績への直接的な影響
 PPAにおいて評価された無形資産は、その償却を通して会社の利益に直接的な影響を与えます。そのため、無形資産の金額や耐用年数等が当初の想定から大きく異なることとなる場合には、会社の当初の利益計画が大きく変動してしまう可能性があります。このような事態を避けるためにも、買収プロセスにおける早い段階から専門家が関与することが望ましいと言えます。

弊社の強み

  • PPAに関して、弊社は以下のような強みを持っています。
1.大手監査法人における会計監査経験者である公認会計士がプロジェクトに関与
 PPA手続は、会計監査人よる監査を受けるプロセスが含まれるため、会計監査人がどのような点を重視し、会計監査人に対してどのようなロジックを構築しておく必要があるのか、ポイントを押さえておく必要があります。そのため、単に無形資産を評価するスキルがあれば良いと言う訳ではなく、会計監査経験を有することが非常に重要であると考えます。弊社のメンバーは、主に公認会計士の資格を有し、Big4系の会計ファームや監査法人で経験を積んだ者より構成されており、会計監査人とのコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
2.豊富な実績と経験に裏付けられた確かな品質
 PPAは、その特性上見積りの要素が多く介在することから、いかにして見積りの妥当性・合理性を裏付ける適切なロジックを構築するかが重要となります。そのため、同種の案件における実績と経験をどれだけ有しているかが専門家としてのサービスの品質を大きく左右すると考えます。  弊社は、設立以来多数のM&A案件において、PPAサービスを提供し、その多くでBig4を始めとする会計監査人のレビューを受けております。このような豊富な実績と経験を生かして、買手企業の要望に最大限配慮すると同時に、会計監査人の厳格なレビューにも堪えうる最適解を導くことが弊社の強みであると自負しております。弊社は、PPAサービスの提供を通じて、買手企業の負担を最小化し、会計監査の効率化にも寄与します。
3.海外案件及びIFRSにも対応可能
 弊社では国内の買収案件だけでなく、最近特に増加しているクロスボーダー案件に関する実績も数多く有しております。また、日本基準だけでなく、IFRSに基づくPPA業務の実績も豊富ですので、さまざまな案件に幅広く対応が可能です。




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無形資産の取扱い 日本基準とIFRS

企業結合時に識別される無形資産の取扱い ~日本基準とIFRSの比較~

  • 日本基準及びIFRSにおける、企業結合時に識別される無形資産の取扱いの概要は以下の通りです。
  • 識別可能性について、日本基準では分離して譲渡可能かどうかを実質的に判断することが求められているのに対し、IFRSでは契約法律規準が優先されています。
    また、測定可能性についても、日本基準では明示されているのに対し、IFRSでは識別可能要件を充足すれば公正価値は測定可能であると考えられています。
  • 当初認識後の会計処理については、日本基準では仕掛中の研究開発を除いて具体的な規定がないのに対し、IFRSでは具体的に記載されています。
  • のれんの取扱いは明確に異なっており、日本基準では20年以内での償却が求められるのに対し、IFRSでは非償却として毎期減損テストの対象となります。この点が、財務報告上、最も直接的な影響を生じます。
項目 日本基準 IFRS
識別可能性
  • 法律上の権利など分離して譲渡可能なもの
  • 独立した価額を合理的に算定可能なもの
  • 契約法律規準
  • 分離可能性基準
上記いずれかを満たす場合
例示
  • 特定の法律に基づく知的財産権(知的所有権)等の権利についてあり
  • あり(「無形資産の例示」参照)
当初認識後の会計処理
  • 規定なし(仕掛研究開発の取扱いについて留意事項あり)
  • 規定あり(耐用年数、償却期間及び償却方法等)
無形資産の耐用年数・償却
  • 耐用年数を確定できないケース:なし
  • 償却:均等償却
  • 耐用年数を確定できないケース:あり
  • 償却:均等償却
のれんの取扱い
  • 20年以内で均等償却
  • 非償却とし、毎期減損テストを行う

無形資産の例示

  • 無形資産の例示として一般的に以下のものが挙げられます。

1マーケティング関連・顧客関連

区分 項目 具体的内容
マーケティング関連 商標・商号
  • 製品を個別認識しうる名称、ロゴ、シンボル等の使用権
  • ビジネスを個別認識しうる名称、ロゴ、シンボル等の使用権
サービスマーク、団体商標、証明マーク
  • サービスを個別認識しうる名称あるいはシンボル等の使用権
  • 組織のメンバーであることを表示する権利
  • 特定の品質基準・由来に基づく製品・サービスであることを表示する権利
商業上の飾り
  • 製品における独特の表示方法(独自の色、形状、包装デザイン)
新聞のマストヘッド
  • 新聞の紙面に新聞紙面の1面トップに情報を記載する権利
インターネットのドメイン名
  • 特定のインターネットアドレスを表示するアルファベット文字列の使用許可
競業避止契約
  • 特定の期間、類似事業を行うことが規制される保証、権利
顧客関連 顧客リスト
  • 競合企業またはテレマーケティング会社がビジネスとして活用することが可能な企業の顧客に関する情報(名前、連絡先、契約内容、取引履歴等)
受注残
  • 営業活動を行わずに将来収益を生み出す能力を有する確定受注残高
顧客との契約・関連する顧客との関係
  • 契約に起因する顧客関係
  • 顧客関係の価値には、既存契約・契約条件の承継、及び将来の発注見込の両面を含む
契約外の顧客関係
  • 契約以外に起因する顧客関係 (顧客との継続的な取引関係、実績等)
  • 顧客関係の価値は、将来における発注見込から導かれる

2契約関連・技術関連

区分 項目 具体的内容
契約関連 ライセンス・ロイヤルティ・スタンドスティル条項
  • ライセンス契約、ロイヤリティ契約
  • 特定期間、特定の経営活動を規制する契約
広告・建設・経営・サービス・商品納入契約
  • 契約に基づき、特定価格、特定サービス、特定製品の供給をうけることのできる顧客としての地位の承継
リース契約
  • 借受人(レッシー)としての地位の承継
建設許可
  • 特定地域において特定の構造の建築物を建設する権利
フランチャイズ契約
  • 特定地域において特定商標等を用いて営業を行うことができる権利
営業許可・放映権
  • 特定のルールに基づき営業することを認められた権利
  • 業法/通信法により認められた特定帯域を使用することができる権利
利用権
  • 掘削、水利、空気、鉱業、伐採、道路等の利用権
サービサー契約
雇用契約
  • 雇用契約による雇用主としての権利の承継
技術関連 特許権を取得した技術
  • 一定期間、発明品の製造、使用、販売を保護する権利
ソフトウェア・マスクワーク
  • コンピュータに関連するプログラム、プロシージャ、説明資料等
特許申請中・未申請の技術
  • 特許により保護されていないが、固有の価値を有する技術体系、ノウハウ
データベース
  • 特定の情報(科学的情報や信用情報等)を含む情報の集積体系
企業秘密(秘密の製法・工程等)
仕掛中の研究開発
  • 進行中の研究開発プロジェクトのうち、支配/経済的便益/測定可能性/実在性/未完成の5要件を満たすもの

評価手法の選択

1無形資産の公正価値と時価

無形資産(Intangible Assets)の評価

無形資産の公正価値について(IFRS第13号)
  1. 公正価値とは、「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格」である。
  2. 公正価値を測定するために、状況に適合し、十分なデータが利用可能な評価技法を使用しなければならず、その際、関連性のある観察可能なインプットの使用を最大限にし、観察可能ではないインプットの使用を最小限にすることが求められている。評価技法を使用する目的は、現在の市場の状況下で、測定日において資産の売却又は負債の移転を行う秩序ある取引が市場参加者間で行われるであろう価格を見積もることである。3つの広く用いられている評価技法として、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの見積方法が考えられ、資産の特性等により、これらのアプローチを併用又は選択して算定することとなる。
無形資産の時価について(企業会計基準適用指針第10号53項)
  1. 観察可能な市場価格に基づく価額
  2. (1)がない場合には、合理的に算定された価額
    合理的に算定された価額による場合には、市場参加者が利用するであろう情報や前提等が入手可能である限り、それらに基礎を置くこととし、そのような情報等が入手できない場合には、見積りを行う企業が利用可能な独自の情報や前提等に基礎を置くものとされている。
    合理的に算定された価額は、一般に、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの見積方法が考えられ、資産の特性等により、これらのアプローチを併用又は選択して算定することとなる。

2評価アプローチ

評価アプローチの選択

  • 無形資産の評価を行うにあたっては、評価対象となる無形資産の特性、評価の目的、評価対象のおかれている状況や事業特性、情報の入手可能性等を総合的に勘案して、最も適切と思われる評価アプローチ方法を選択あるいは併用することにより評価を行います。 
評価アプローチ 採用にあたっての検討・留意事項
コスト・アプローチ 無形資産を構成する要素それぞれの再調達原価や複製原価を算定し、集計した額を評価対象資産の価値とする手法
  • 認識した無形資産の再調達原価や複製原価の集計が可能か
  • 現時点における再調達原価は、評価対象資産を再調達するためのコストであり、認識した資産が有する価値と一致するか
マーケット・アプローチ 評価対象資産あるいは評価対象資産に類似した資産の取引市場における取引価格を参考にして、評価対象資産の価値を算定する手法
  • 取引市場が存在し評価対象資産にかかる取引相場が確立している場合には客観性の高い評価アプローチである
  • 認識した無形資産に取引市場があるか、類似資産の売買事例を収集することが可能か等検討を要する
インカム・アプローチ 評価対象資産から得られる将来の経済的便益の総和を現在価値に割引いた価値により、評価対象資産を評価する手法
  • 評価対象資産の将来の経済的便益の総和により評価を行うインカム・アプローチは、最も理論的かつ一般的な評価アプローチである
  • 認識した無形資産の評価に必要なデータの収集可能性等、経済的便益を測定するための合理的な前提・測定方法について検討を要する

M&Aにおいて認識された無形資産の開示例

旭化成株式会社 株式会社ローソン エムスリー株式会社
会計基準
  • 日本基準
  • 日本基準
  • IFRS
企業結合
概要
  • 概要

①企業名称:
Impact Instrumentation, Inc.

②事業内容:
呼吸管理器具の製造・販売

③企業結合日:2014年10月31日

④取得原価:3,061百万円

  • 概要

①企業名称:
株式会社成城石井

②事業内容:
食品総合小売業

③企業結合日:2014年10月31日

④取得原価:36,269百万円

  • 概要

①企業名称:
株式会社
Integrated Development Associates

②事業内容:
アジアにおける医薬品開発支援・コンサルティング事業

③企業結合日:2015年3月1日

④取得原価:1,741百万円

のれんに
関する開示
  • 発生したのれんの金額等

①金額

1,356百万円

②償却方法及び償却期間

10年均等償却

  • 発生したのれんの金額等

①金額

28,743百万円

②償却方法及び償却期間

20年均等償却

  • 発生したのれんの金額等

①金額

1,246百万円

②償却方法及び償却期間

非償却

無形資産に
関する開示
  • のれん以外の無形固定資産等

①無形固定資産に配分された金額等

技術関連資産

437百万円


商標権

22百万円


顧客関連資産

623百万円


②全体及び主要な種類別の
加重平均償却期間

技術関連資産

13年


商標権

5年


顧客関連資産

7年


合計

10年

  • のれん以外の無形固定資産等

①無形固定資産に配分された金額等

商標権

12,000百万円


②全体及び主要な種類別の
加重平均償却期間

商標権

20年


  • のれん以外の無形固定資産等

①無形固定資産に配分された金額等

受注残

126百万円


カスタマーリレーションシップ

36百万円


②全体及び主要な種類別の
加重平均償却期間

受注残

3年


カスタマーリレーションシップ

4年


出処:各社開示資料

会計監査人の皆様へ

会計監査人の皆様へのイメージ

貴法人の監査クライアントがM&Aをされた際、PPA(Purchase Price Allocation)の処理でお困りではありませんでしょうか。
Stand by C では、経験豊富な専門家がクライアント様のPPA処理に関するお手伝いを致します。
クライアントが他の監査法人系のサービス会社へ依頼されるのは困るが、他に無形資産評価の専門家を知らない、という際には、是非、Stand by C へお問合せ下さい。





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