PPAで認識する無形資産の例示
PPAで識別される無形資産には下記のようなものがあります。
マーケティング関連
項目 | 具体的内容 | 認識のポイント |
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商標・商号 | - ・製品を個別認識しうる名称、ロゴ、シンボル等の使用権
- ・ビジネスを個別認識しうる名称、ロゴ、シンボル等の使用権
| - ・知名度やブランド力が高いとされる会社や、認知度の高い商品を持つ会社において認識される
- ・業種に関係なく認識される
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サービスマーク、団体商標、証明マーク | - ・サービスを個別認識しうる名称あるいはシンボル等の使用権
- ・組織のメンバーであることを表示する権利
- ・特定の品質基準・由来に基づく製品・サービスであることを表示する権利
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商業上の飾り | - ・製品における独特の表示方法(独自の色、形状、包装デザイン)
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新聞のマストヘッド | - ・新聞の紙面に新聞紙面の1面トップに情報を記載する権利
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インターネットのドメイン名 | - ・特定のインターネットアドレスを表示するアルファベット文字列の使用許可
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競業避止契約 | - ・特定の期間、類似事業を行うことが規制される保証、権利
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顧客関連
項目 | 具体的内容 | 認識のポイント |
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顧客リスト | - ・競合企業またはテレマーケティング会社がビジネスとして活用することが可能な企業の顧客に関する情報(名前、連絡先、契約内容、取引履歴等)
| - ・個人会員を集めているような業種
- ・個人名や住所だけでなく、属性等を把握していてマーケティング等に活かせる会員情報を収集している必要がある
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受注残 | - ・営業活動を行わずに将来収益を生み出す能力を有する確定受注残高
| - ・受注生産の業種で、受注から納品までの期間が長い業種
- ・製品単価が高額な業種
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顧客との契約・関連する顧客との関係 | - ・契約に起因する顧客関係
- ・顧客関係の価値には、既存契約・契約条件の承継、及び将来の発注見込の両面を含む
| - ・競合他社から見て、取引関係を構築することが難しい顧客と取引関係のある会社
- ・業種に関係なく認識される
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契約外の顧客関係 | - ・契約以外に起因する顧客関係 (顧客との継続的な取引関係、実績等)
- ・顧客関係の価値は、将来における発注見込から導かれる
| - ・顧客との契約はないが、顧客と反復継続して取引関係をもつ場合
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契約関連
項目 | 具体的内容 | 認識のポイント |
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ライセンス・ロイヤルティ・スタンドスティル条項 | - ・ライセンス契約、ロイヤリティ契約
- ・特定期間、特定の経営活動を規制する契約
| - ・重要なライセンス契約を締結しているライセンシー
- ・重要な商品を販売するためにロイヤリティを支払っている会社
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広告・建設・経営・サービス・商品納入契約 | - ・契約に基づき、特定価格、特定サービス、特定製品の供給をうけることのできる顧客としての地位の承継
| - ・市場価格より割安で購入できる等の価値のある契約が存在する場合
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リース契約 | | ― |
建設許可 | - ・特定地域において特定の構造の建築物を建設する権利
| ― |
フランチャイズ契約 | - ・特定地域において特定商標等を用いて営業を行うことができる権利
| - ・フランチャイジーにて認識される
- ・フランチャイザーの場合、フランチャイズ契約は、顧客資産として認識される
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営業許可・放映権 | - ・特定のルールに基づき営業することを認められた権利
- ・業法/通信法により認められた特定帯域を使用することができる権利
| - ・取得が困難であったり、高額のコストが掛かるような特殊な許認可等を保有している会社
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利用権 | | ― |
サービサー契約 | ― | ― |
技術関連
項目 | 具体的内容 | 認識のポイント |
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特許権を取得した技術 | - ・一定期間、発明品の製造、使用、販売を保護する権利
| - ・製造業で、市場競争力の高い製品を有している会社
- ・特許権を取得していない場合でも、技術として無形資産に認識される場合が多い
- ・いわゆる一般的にいうノウハウについては、抽象的でその内容が不明瞭である場合も多く、分離して譲渡可能ではないとして認識されないことも多い
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特許申請中・未申請の技術 | - ・特許により保護されていないが、固有の価値を有する技術体系、ノウハウ
| - ・製造業で、市場競争力の高い製品を有している会社
- ・特許権を取得していない場合でも、技術として無形資産に認識される場合が多い
- ・いわゆる一般的にいうノウハウについては、抽象的でその内容が不明瞭である場合も多く、分離して譲渡可能ではないとして認識されないことも多い
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企業秘密(秘密の製法・工程等) | ― | - ・製造業で、市場競争力の高い製品を有している会社
- ・特許権を取得していない場合でも、技術として無形資産に認識される場合が多い
- ・いわゆる一般的にいうノウハウについては、抽象的でその内容が不明瞭である場合も多く、分離して譲渡可能ではないとして認識されないことも多い
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ソフトウェア・マスクワーク | - ・コンピュータに関連するプログラム、プロシージャ、説明資料等
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データベース | - ・特定の情報(科学的情報や信用情報等)を含む情報の集積体系
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仕掛中の研究開発 | - ・進行中の研究開発プロジェクトのうち、支配/経済的便益/測定可能性/実在性/未完成の5要件を満たすもの
| - ・製薬会社等の研究開発費が多額に計上される業種では認識可能性が高い
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